《MUMEI》
真実を教えて【10】
「やべっ…もうこんな
時間だぜ。」
「あ、本当だ。早く行
こうぜ。」
「あの体育のハゲうる
せぇもんな。」

 全員、急いで外へ
走って行った。

 体育館から外へ行く
所で、急に克哉が立ち
止まった。

「…煙草が無い!」
「どうせまた買えるだ
ろ。買わせるか?何時
もの奴に。ほら、何時
もの奴が来たぜ?」

 克哉が顔を上げる
と、優都がこっちに歩
いてきていた。

「なっ?来ただろ?」
「やっぱ分かるんだ
ねぇ、彼女が居る
と。」
「!?」

 和久は口を滑らせた
克哉の口を急いで手で
塞いだ。

「バカ!言うなよ!」

 翔太は気にせずに優
都の前に行き、馴れ馴
れしく優都の肩に自分
の腕をおいた。

「なぁ、今の聞いてた
んだよな?」
「………」
「聞いてたんだよ
なぁ?」
「お口無くなっちゃっ
た?」

 全員が口々に言う
中、優都は黙り込み、
翔太の手を振り払うと
体育館へと歩き出そう
とした。

「あっそう…じゃあ、
俺たちがお喋りさせて
やるよ!」

 翔太はそう叫んで、
優都の腹を膝蹴りし
た。

「うっ…」

 優都は苦しそうな表
情を浮かべ、そのまま
床に倒れこんだ。

「お前も5日間持て
る?まっ、頑張れ
よ。」

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