《MUMEI》 嘆きの桜山[店長視点](114〜117)「あ〜、お休み処発見!」 「よってこ〜よ〜」 はいはい、寄ってって。 「いらっしゃいませ」 私は、営業スマイルを浮かべて頭を下げた。 ここは、通称桜山と呼ばれる桜の名所。 私は、そんな桜山唯一のお休み処『ヨシノ』の店長をしている。 ちなみに由来は桜山の桜が全部ソメイヨシノだから。 今は秋だけど、紅葉も綺麗だから、それなりにお客が来る。 それなりだから、店にいるのは私と先代(母さん)だけだけど。 「何にしますか?」 「ん〜、あたしみたらし!」 「あたしも!」 ハイテンションの子供達が手を上げた。 「私は抹茶セットで」 母親らしき人も手を上げる。 仲良しだなぁ 「かしこまりました」 私は頭を下げた。 「お待たせ…しました?」 …ん? 子供達はある物をジ―ッと見つめていた。 あぁ、それね それは、これから先 桜山広場と その先の 千年桜を見る人には必要不可欠な物だった。 …まぁ、たまに信じなくて持っていかない人もいるけど 私も最初は信じて無かったし 前へ |次へ |
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