《MUMEI》

「折りたたみ持ってます?」


すぐにお団子に夢中になった子供達の横にいる母親に確認した。


「…いえ?」


あ、やっぱり


今日は降水確率0パーセントだし


見事な秋晴れだった。


「だったら必要ですよ」


私は店頭の一番目立つ位置にある傘を指差した。


「…でも」


あ、疑ってる。


一応言っておくけど、うちは至って良心的な店


必要無い物を無理には絶対売らない。


「もし、この先雨が降って無かったら、返品可能ですから」


その一言が決め手となり


「じゃあ、一本だけ…」

「ありがとうございます」


母親はやっとビニール傘を購入した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫