《MUMEI》

「し、資料に載ってるんですよ! ホラ!」

「…」


マジかよ…


そこには、確かに千年桜についての説明があった。


『半年程前に、地元の住民が発見した、樹齢千年の桜』


そうか


もう、異空間である必要無いんだな


人外の存在は


俺や


一応山田みたいな


特殊な人間にしか見えないし


たとえ、見えても


『桜の精』を


誰も、傷付けない。


櫻がいる、千年桜に皆が魅了されても


何の問題も起きない、…はず


「そういえば、何で同業者が桜山に行くんだ?」


そこで、再び俺は山田に質問した。


もし、櫻に何かしようと企んでるなら…


許せないから

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