《MUMEI》 「それが、よくわからないんですよ」 「はぁ?」 「何か気になる事があって行ってるのは確かなんですが… 帰ってきた人達、記憶無いみたいで」 …桜花の仕業か 俺は、直感でそう思った。 それなりに力のある連中が、あっさり記憶を奪われるなんて 人間業とは思えなかったから。 そして、そんな桜花が動く理由は、ただ一つ 櫻の為だ。 「行くぞ、山田」 「桜山に…ですか?」 「当然だ」 他に何処がある。 「早く動け。…死にたくないだろ?」 「もちろん!」 そして、俺は、山田の運転する車で桜山に向かった。 櫻の為に 前へ |次へ |
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