《MUMEI》

櫻… 櫻


何があった?


お前は幸せに


穏やかな日々を送っているんじゃなかったのか?


俺は


俺が、他の連中みたいになったら、お前が悲しむから


毎日、毎日


…頑張ってたんだ


お前に会った男は皆不幸だと言うなら


俺だけは世間に幸せだと認められるよう


印象を良くしようと、頑張ってたんだ


もちろん


本当の意味で幸せではなかったけど…


「あ、あの!カサ!カサいりませんか!」

「いるかボケ!」


こんなに晴れてんのに、傘なんかいるか!


俺はひたすら千年桜を


櫻を目指した。


そして


「…見つけた」


満開の、千年桜を。


「ハッ… 早いっ…… すご…」


後から来た山田も言葉を失うほど


千年桜は美しかった。


やっぱり、さっきのはボケ女だ。


雨なんか降ってね〜


つーか、晴れてんじゃん

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫