《MUMEI》

《久しぶりだ、百番目》


!!


「せ、んせ…アレ…」

「山田、結界第二段階」

「ここで、ですか?」


山田は周りの花見客を見つめた。


つーか、何で皆傘持ってんだ?


何か、口開いてるし


「いいから、早く」

「で、でも…」


《張れ。百番目はこっちに来い》


桜花の言葉に山田は一瞬固まり


俺が千年桜に吸い寄せられるように近付いた時


山田は、外からは絶対に見えない結界を張り終えていた。


「ずいぶん強引だな」


…情けないな


俺の声は、緊張で震えていた。


《櫻の為だからな》


その言葉に、俺の緊張は更に高まった。


そして、桜花の視線の先には


桜色の髪と瞳


白い着物の櫻がいた。


「…っ…櫻」

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