《MUMEI》

立ってられなくて

しゃがみ込む。

何でアタシ‥

泣いてんだろ‥。

側に千代がいるのに‥。

ずっと‥

人前で泣く事なんてなかった。

泣かないって決めてたんだ。

なのに何で‥

何でアタシは泣いてんだ‥?

「これ‥」

「ぇ」

そっと差し出された

水玉のハンカチ。

「‥千‥代‥?」

「使って‥? お節介かもだけど‥」

「‥っ‥あんがと」

千代からハンカチを受け取って‥

両目に押しつける。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「あたし‥ここにいるから。何かあったら‥言ってね」

そう言ってくれた千代に頷いて‥

アタシは暫く泣き続けてた。

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