《MUMEI》

メガネの言った通り‥

雨が降ってきた。

5限目一杯降り続いて‥

放課後になっても

全然止まない。

「ヤバいな‥こりゃ‥」

「まだいたのか」

「!?」

メガネ‥。

「オマエ、帰ったんじゃなかったのかよ」

「図書館に寄っていてね。君は何故こんな時間まで残ってるんだ‥?」

「‥止むまで待とうかと思って」

「‥?」

「何だよ」

「持って来てるんじゃなかったのか、傘」

「っ‥と‥」

答えられないでいると

メガネは大袈裟に溜め息をついた。

「全く君は‥」

「ぅ‥うるせーよ‥。もうアタシ帰るかんなっ」

そう言って

歩き出そうとした時だった。

メガネに腕を掴まれた。

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