《MUMEI》

雨の音よりも‥

自分の心臓の音の方がうるさい。

いつもは何気なく歩いてる道のりが‥

やけに長く感じる‥。

寒いのか暑いのかすら分かんねぇ。

アタシは完全に‥

どうかしちまってる。

「霖堂」

「‥!?」

「何をそんなに驚いてるんだ‥?」

「べっ‥別に‥ビビってなんかねーよ」

慌てて顔を背ける。

でも‥

何だか気まずくてしょうがねぇ。

「霖堂‥?」

「あんがと‥な」

「ぇ‥?」

「『あんがとな』っつったんだよ」

「やけに素直だな」

「悪かったな捻くれもんで」

「悪くは無いさ」

「へ‥?」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫