《MUMEI》

《そこからは丁重に扱え》

そう言われて、二人は一枚一枚花弁を取り除いた。


そして、現れたのは


小さな、桜の苗木


それに


「…桜花、か?」


《見下ろすな、百番目》


そう言われて、蒼は一瞬悩み


ヒョイッと桜花を


自分の手の平に乗せた。


そんな桜花を櫻は密かに可愛いと思っていたが、口には出さなかった。


セクシー低音ボイスの美形だった桜花は


ソプラノ声の可愛らしい


手の平サイズの子供になっていたのだった。


《櫻の為に力を使い過ぎたのだ》


そして、桜花は説明を始めた。

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