《MUMEI》

コンピュータ室から出た時

溜め息をついたのは‥

「はぁ‥」

アタシだった。

「さて、それじゃ奢ってもらうとしようか」

「‥‥‥‥‥‥‥」

最悪だし‥。

つーか自業自得か‥。

アタシが自販機に小銭を入れて

メガネがボタンを押した。

「‥ぁ」

「?」

「オマエもコーヒー牛乳飲むんだな」

「君も好きだとは奇遇だね」

「別に‥好きとかじゃねーし」

「君は何か買わないのか」

「今は喉渇いてねーから」

そう言ったアタシの隣りで

メガネは

もう飲み終わったらしい。

「ご馳走さま」

「ぉ、ぉぅ‥」

何か──

ちょっと嬉しくなった。

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