《MUMEI》
誓い[蒼視点]
騙されたような


試されたような…


そんな


イライラした気持ちは


《佐倉 蒼》


桜花に初めて名前を呼ばれた途端、吹き飛んだ。


「何だ」

《櫻を、愛し、守り幸せに出来るな?》


それは、質問ではなく確信に満ちた言葉だった。


だから、俺も答えた。


「当たり前だ。俺以外に誰が出来る?」


櫻を誰よりも愛しているのは


他でもない


この、俺だ。


《…我に、誓えるか?》

「何度でも誓える」


桜花に


千年桜と言われた存在に


櫻の父親に


「俺は櫻を愛してる。だから、櫻を守るし幸せにする」


俺は、誓いの言葉を述べた。


それは同時に


俺自身の幸せに繋がる言葉だった。

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