《MUMEI》

「珠季おはよう──‥大丈夫‥?」

「ぁぁ、何とかな‥」

結局あの後

寝ちまって‥

千羽は折れなかった。

また‥

アイツに見下される。

また‥

アイツはアタシに目で言うんだ。

『君に僕は越せない』‥。

「珠季‥?」

「‥ぁ‥、悪ぃ」

出来ないって‥

心の中では分かってた。

それでも

アイツに認めて欲しくて見栄張って‥。

「珠季‥っ」

「‥ぇ」

気が付いたら

目の前の男子にぶつかる寸前だった。

「あっぶね‥」

「何だ‥君か」

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