《MUMEI》

「流石にきついね。」

大の大人が三人も寝ることになろうとは。
どんなに頑張っても二枚しか布団敷けない。


「恋人と母親よりどりみどり?」


「……自分の部屋で寝る」

二人で寝てろ。


「ひーちゃんたら、パパとママ無しで寝られるの?」


「こんなカッコウィーパパ居てたまるか。」

国雄はどうやったって俺の恋人だし。ウィーの発音だって上がっちゃうくらいの素敵恋人だし!


「光……」


「国雄……」

国雄の瞳がエロくなる。
人差し指は俺の首筋から顎のラインをなぞり、俺は両手を国雄の膝について接吻待ちの体勢で構えた。





「ねぇ、枕なんだけど……」


「あ、お構いなくー。全然それで大丈夫です。」

国雄営業スマイル炸裂。
俺はというと立ち上がった国雄に跳ね退けられて後ろに反っくり返っていた。
……畜生、いいとこだったのに!


「ママの馬鹿あー!」

童心へ戻って布団で暴れてみたりして。


「……何その呼び方、気持ち悪い。」

ドン引きされた……。


「それもお構いなくー。」

あしらわれたっ!

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