《MUMEI》
納得いかね〜じゃん?
秀皇大学の練習会は、


とにかく強いチームに声をかける。


市民体で秀皇大付属高校を破った海南高校にも、


当然その誘いは来ていた。






「行かない?」


「たぶんな。」


「何で!?
赤高も来んだろ!?」


「あのな未來…


お前はハンド始めたばっかだから知らないかもしれないけど、


うちの監督は秀皇大学のことあんま良く思ってね〜んだよ。」


「何で?」


「何でっつわれても…
話すと長いんだよ。」


「い〜よ別に。」


(俺がめんどくさいんだよ…)


「ふぅ…。


あのな?


秀皇大学の練習会っていえば結構有名で、


何年か前まではうちも参加してたんだよ。」


「うん。」


「だけど、


その練習会で目つけた選手スカウトしてるって噂がたって、


まぁそれはたぶんマジなんだけど…


それがエスカレートしてきたんだよ。」


「…そんなの普通じゃね?」


「ま〜な。


別に悪いことやってるわけじゃね〜んだけど、


おもしろくはないよな。」


「…確かに。」


「でも、


強いチームばっかが集まる練習会なんだから、


当然うちにとってもプラスだ。」


「うん。
じゃあ行けばい〜じゃん。」


「まぁ聞け。


それで…


監督もチームの為にって毎年参加してたらしいんだけど…」


「?」


「去年その練習会に俺たちは誘われなかった。」

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