《MUMEI》

アタシは‥

カバンを持って屋上に来てる。

中には

折り鶴が230羽。

「はぁ‥」

「珠季‥、 珠季だって頑張ったんだから──」

アタシの後を付いて来てくれた千代が

そう言って慰めてくれた。

でも

アタシは‥

頑張った訳じゃない。

めんどくなって‥

途中で投げ出しそうにもなった。

アタシは

甘くみてたんだ。

今度こそ勝てるはず──

そう思って。

「千代‥、アタシ‥アイツに勝てる日なんて来るのかな‥」

そう言ったら‥

千代が苦笑した。

「珠季らしくないよ?」

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