《MUMEI》 「珠季‥?」 「確かにアタシは‥意地張って背伸びしてんだ。アイツを振り向かすには、アイツを越さなきゃって──そう思ってるから」 アイツは何でも出来て アタシなんかとは比べ物にならない。 だから越して‥ 認めてもらいたいって。 そう思うから 勝負をけしかけるんだ。 勝目がないって分かってても。 ‥だけど。 「随分と陰気な空気だな」 「なッ‥メガネ‥!」 「終わった事をくよくよ悩んでも仕方無いだろう」 「なッ‥悩んでなんかねーよ」 「そうは見えないけどな」 メガネは 何でか あの千羽鶴を持ってる。 「何だよ‥見せびらかしに来たのか」 前へ |次へ |
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