《MUMEI》

『あぁ知ってるよ』


「君のこと、ヒョーリちゃんに話さなくて良いの?」


檜泉は本の表紙を見ると、気に入らない本は棚に戻していった。


気に入った本は棚から出し、手に持った。


『まだ話すには早いよ』


「それもそうだね」


『時が来るまで、気長に待とう』


「あぁ」


檜泉はちょっと厚めの本を5冊、手に持つと書物室から出て行った。

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