《MUMEI》

メイド服に着替えた怜は、五箇条家の皆さんに挨拶をした。


──良かった……。皆さん良い人ばっかりで…


静かに胸を撫で下ろした怜を、朔弥が呼んだ。


「後で俺の好きなフルーツ持ってきてくれるかな?びびりやメイドさん」


笑いながら朔弥は、階段を上っていった。


「朔弥お坊ちゃまが、あんな笑顔を見せるとは。もしかしたら、貴女の事が好きなのかも知れないわね?」


メイドさん達は口々に言う。


今まで好きなんて考えた事がなかった事を思い出した。父も母も、偽りの愛情をあたしに注いでいたのだから…


一瞬で愛に冷めてしまっていた。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫