《MUMEI》

『嘘なんかつくな、綺嘉だってすぐに気づくぞ』


「……」


『無理に話さなくていいが、辛い時は辛いって言え、無理するなよ』


すると塁羅の目からポロポロ涙が溢れ、床に座り込んだ。


紫吾も塁羅の隣に座り、塁羅の頭に手を置いた。


『どうしたんだ?』


「今日夢を見たんです、それは僕の過去…、あの人は僕を許さない…」


塁羅は泣きながら脅えていた。

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