《MUMEI》

兄からの頼みで赤高との試合に参加した阿久津。


自分のチームではなかったとはいえ、


赤高の底力を感じていた。








(桜井はああ言うけど…


赤高は弱小なんかじゃないよ…


何て言えばいいのかわかんないけど…


いつか俺たちの前に立ちふさがるような…


そんな驚異を感じる…)








「栄二〜。
早く外練行くぞ〜。」


「あっ、
うん。」


外へと移動する選手たち。


炎天下の中、


外を走る。


「練習会かぁ…」


「何急に?」


「や、


市民体の決勝の相手さ?


海南だったじゃん?」


「うん。」


「まさかだったんだよね〜、


俺的には。


海南はまぁ…


そこそこ強いかったけど…

最後まで負ける気が全然しなかった。


やっぱ市民体の決勝は聖龍対秀皇が伝統だろ。」


「うん…
まぁ…」


「ふぅ…


このままじゃホントにうちの1強時代だよ?


マジつまんね〜。


練習会で強くなってくれりゃい〜けど。」


「それは…
秀皇が?」


「当たり前じゃん!!
他にどこいんだよ!!」


「…」


(…俺的には赤高だけどな。)

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