《MUMEI》

「決勝以上に盛り上がる試合?」


「そう。」


「それは?」


「赤高と海南。」


「あっ…」


阿久津には、


思い当たるふしがあった。


つい最近行われた市民体でも、


赤高と海南の試合は大会一の盛り上がりを見せた。


「赤高と海南の試合は、


毎年あるわけじゃね〜けど、


対戦する度に、


最後までどっちが勝つかわかんないゲーム展開を見せる。」


「確かに…」


「俺も、


あいつらの試合を見てる時は、


最後までハラハラする。」


「…」


「赤高と海南には…


ゲームを支配する何かがある。


それは、


実力とは違う何かなのに、


あいつらの力になってる。」


「なるほど…。」


「ホントに怖いのは秀皇なんかじゃない。


秀皇がいつか負けることはわかってた。


赤高か、


海南にな。」


「…」


「さて…
最初の質問に戻ろうか。」


「え?」


「赤高は強いか弱いか。」


「あっ…
あぁ…。」


「もう答えるまでもないと思うけど、


赤高は強いよ。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫