《MUMEI》

練習を終えたクロは、


恭介を送り届ける。







「…悪いな。」


「何が?」


「いや…
疲れてるのにさ…」


「い〜よ別に。」


「そういえば…
右45の手配はできたわけ?」


「うん!!
バッチリ!!」


「そっか。
よかった。」


「…」


「…」


「…恭介さ?」


「何?」


「最近元気なくない?」


「そうか?」


「うん。
何か練習やってる時も元気ない。」


「…ぶっちゃけさ。


姉ちゃんがマネージャーやってるチームとはやりたくね〜んだよ。」


「何で?」


「…俺、


姉ちゃんから秀皇が俺のこと欲しがってるって聞いて、


秀皇の練習に参加したことあんだよ。」


「マジで!?」


「うん…


それなのに秀皇には行かないでさ、


結構…


罪悪感があったりする…」


「…そうなんだ。」


「うん。


姉ちゃんが怒んのも当然なのに、


俺も喧嘩腰になって…


もうずっと仲悪いんだよね。」


「…なるほどね。」


「俺は姉ちゃんのこと嫌いなわけじゃないんだけどな…」


「…僕が言うのも生意気だけど、


恭介はもうちょい素直になるべきだね。」


「…ホントだな。」

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