《MUMEI》

「…ただいま。」


家に着く恭介。


「…」


恭介の姉、


水川春奈は、


帰宅した弟を見ようともしなかった。


「おかえり恭介。


今日も遅かったのね。


ご飯は?」


「あっ…
食うよ。」


恭介の母親が晩ご飯を並べる。


「あんた毎日遅いけど何してんの?


毎日遊んでお金あるの?」


「遊んでるわけじゃね〜よ。


ハンドの練習。」


「…ふん。」


春奈がソファーから立つ。


「お母さんあたし明日早いから。」


「え?
もう寝るの?」


「部屋行くだけ。
明日7時前には起こして。」


「はいはい。


あんたももう21なんだから自分で起きれるようになりなさいよ。」


「まだ20だし。
あと数時間だけどね。」


そう言うと春奈は部屋へ行った。


「恭介は明日は何もないの?」


「…や、


俺も7時前…


じゃなくて


6時に起こして。」


「あら?
随分早いのね?」


「ん…
まぁちょっとね。」

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