《MUMEI》

恭介も春奈も、


練習会のことを両親には話していなかった。


仲の悪い2人を、


無理矢理くっつけようという様子が、


ありがた迷惑だった。


恭介は姉と同じ時間に起きると、


準備の時間まで被ってしまうことを予測し、


それを避けた。


「ごちそうさま。」


晩ご飯を食べ終わると、


恭介はそのまま風呂へ向かった。








「ジャー…」







シャワーの音が聞こえた。


(何だよ…


姉ちゃん入ってんのかよ…)


仕方なく、


部屋へ向かう恭介。








春奈は、


恭介が来たことに気付いていた。








(…話しかけてこないってことは恭ちゃんね。


ふぅ…


あたしも明日には21になるんだし…


いつまでも意地張ってないで許してあげればいいのに…)

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