《MUMEI》
1枚隠し撮り
「アルバム懐いー!」

ばれた……


「どろぼー……」

引ったくられた。


「キャー若いよ乙君!兄さんコロコロしてるし。」

乙矢は確かに幼い。
俺も結構痩せたからな……


「返してー。」

恥ずかしくなって来た。


「七君も全然格好良くなったよね。すっかりみちがえちゃってさー、一時期友達から隠し撮りとか頼まれて大変なのよー。」

今の七生は知らないけど、そんなカッコイイんだ。


「中学校の時は1番小さいよね……」


「野球部のエースだったのにねー。
私、意外と小さい時の七君もカッコイイって思ってたよ。
……フム、そう考えると初恋だったのかも。今はちょっと敷居が高くなった感じがして近寄りがたくなったよねー……」


「麻美、そうだったの?!」

この、小学生にときめいていたんだ?!


「七君でも昔から年上好きだったからねー……諦めちゃった。」

麻美たら、ませてるなあ……。

「あとさ、七君も怪我してから少し腐っちゃったじゃない?
野球してたときの七君、カッコ良かったなあとか……私ってミーハーだったんだって気付いて、我に返っちゃった。
今の七君はもう数万倍カッコイイけどね、優勝した朗読コンクールのとき、感動したもん……。」

麻美、感傷的になってしまった。


朗読コンクールかあ……この記憶も曖昧、確かドキュメンタリー部門で映像作ったりしたのは覚えているんだけどな。

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