《MUMEI》
意外な救世主
「ぁ? 何だテメェかよ」

「綾瀬静瑠だ」

「この女に用か?」

「正確には、君達にだね」

「バッ‥メガネてめぇ‥何しに‥」

「偶然に見掛けたものでね。君には借りがある事だし」

「‥な‥んだって‥?」

「言ったままさ」

メガネは

フッと笑って‥

アタシの腕を掴んでるヤツに近付いてくる。

「! てめ‥っ‥何考‥」

「君は言ったね。恩を仇で返す程恩知らずじゃない、って。僕も同じさ」

「はっ!? オマエが‥勝てる訳‥」

「どうかな。今の僕は──2時間前とは度胸が違うんだ」

「何‥言って‥」

全部言い終わらない内に‥

アタシの腕は開放された。

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