《MUMEI》

薄気味悪い笑みを浮かべる兼松…。



しかし、そんな劣勢の空気に少しも動じることなく、〆華は1枚の札を場に空切った…。



―――…「菊のカス」



そして山札の返しの一枚は「芒に月」だった。



それは場に晒されていた「芒に雁」と合わさって、〆華の取札に加わった。



『月見リーチです…』



兼松は〆華が切った「菊のカス」を凝視する。



そして〆華が握る手札の裏地をチラりと見やった。



(この女…


…儂が「桜に幕」を持っているにも関わらず「菊」を切ってくるとは…)



兼松は、〆華の瞳に映る手札の影に「盃」の幻影を見た…。

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