《MUMEI》

「そーだよッ、アタシが言い出したんだよ悪いか!?」

「‥何故急に怒り出すんだ‥? 引くよ、些か‥」

「うっせーよっ」

そう言ってアタシは

メガネから顔を背ける。

保健室のソファって

意外とちっさいから‥

何つーか

結構お互い近い訳で‥。

「霖堂」

「っ!?」

近ぇよバカ‥っ。

「な‥何だよ‥」

「──ぃゃ、呼んでみただけさ」

「は‥?」

何だよ‥。

呼んでみるだけなら

呼ぶなよな‥。

「───────」

そろそろ‥

教室戻るか。

千代に心配かけちまってるだろしな‥。

「‥戻るのか」

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