《MUMEI》 修練開始「じゃ、始めよっか。」 確認をとるようにみんなを見る彩詩。 「とりあえず・・・式夜には私が、狩月にはバンプお願い。途中で交代しよ。」 「剣術とか解らないんだけど・・・教えるの苦手だし・・」 困ったようにバンプがつぶやく。 「ん〜それじゃあ・・狩月と式夜で試合やってみて。ただし木剣でね。」 「たしかに、式夜の腕はある程度知ってるけど、狩月の腕前知らないからね〜狩月、気楽にやりなよ。」 「初心者ですよ?正直、試合になんかならないと思いますけど・・」 戸惑いながら両刃の剣の形をした小型の木剣を手に取る。盾は装備したまま。 「主人がそう言うのであれば・・」 渋々といった感じで片刃で、やや反りのある形の木剣を取る。 部屋の中央まで歩き互いに向かい合う。 式夜がとった構えは、右足を前に出し体を軽くひねった半身の構え。剣は右手に持っている。 狩月がとったのは剣を両手で持った中段の構え、足は肩幅程度にひらいている。 「始め!」 彩詩の声と共に、一陣の風が吹く。 狩月の前方に居たはずの式夜はすでに狩月を通り過ぎ、後方に。 「遅すぎる。」 ポツリと呟く。声に驚き慌てて振り返る狩月。 (まったく見えなかった・・・) ただ、呆然とするばかりの狩月を見て、あきれたように、 「少しは攻めてきたらどうだ?」 木剣を構えなおしながら声をかける。 「式夜・・いきなり瞬動は酷くないか?昨日来たばっかりって言ってる人に対してだぞ。少しは手加減しなよ。」 横で見ていたバンプが声をかけると、構えを解き返答する。 「多少は反応できるかと思ったので。私も主人と試合をしたときはいきなり瞬動を決められましたが?」 式夜の言葉に苦笑いを浮かべる彩詩。 前へ |次へ |
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