《MUMEI》

教室に戻りながら‥

アタシは物凄くドキドキしてる。

『ちゃんと──気持ち伝えてな、綾瀬に』

宮上にああ言われて‥

頷いたけど‥

「‥‥‥‥‥‥‥」

でもアタシ──

まだ告れないんだよな‥。

アイツに‥

勝ってないから‥。

‥それに。

アイツ──‥

付き合ってんのかも知んないし‥。

まだそこんとこ‥

よく分かってないし‥。

「入らないのか」

「ぅわあッ!? メ‥メガネ‥ッ」

「そんなに驚かなくてもいいだろう」

「なッ‥、ぃ‥いきなり話しかけてくっからだろーがっ」

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