《MUMEI》 「とにかく、入るなら入って──入らないなら退いてくれ。戸の前で立ち往生されていたら‥邪魔で仕方無い」 「入るよっ。入るに決まってんだろッ」 思いっきり勢い付けて戸を開けたら‥ みんなが一斉にアタシを見た。 「‥‥‥‥‥‥‥」 取りあえず無視する。 いちいち気にしてらんないし。 「珠季、お帰り。綾瀬君も」 千代だけは いつもと同じに接してくれた。 「よっ‥こら」 アタシが座ると同時に メガネも隣りの席に座った。 「どうかしたかい」 「‥べ、別に」 ヤバい‥ 心臓ヤバい‥。 前へ |次へ |
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