《MUMEI》

「──おい、霖堂」

「‥!?」

「当てられたぞ」

「‥分かってら」

ほんとは気付いてなかった。

ずっと‥

どうやって告ろうか考えてたから。

でもその前に──

勝たなきゃなんないんだけどな‥。

まだドキドキしたまま‥

黒板に答えを書いて戻る。

「──────‥」

「何かあるのか」

「‥ぇ」

「いつも飄々としてる君が──溜め息ばかり吐いて」

「‥オマエには関係ねーよ」

「それはそうだね」

「‥‥‥‥‥‥‥」

冗談通じねーヤツ‥。

いー加減気付けっての‥。

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