《MUMEI》
練習会のルール
「…クロさんに呼ばれたんだよ。」


「そ。
僕が呼んだの。」


「何でですか!?」


「だって、
右45いなかったんだもん。」


「…こいつ高校生すよ?」


「公式戦に出さなきゃ問題ないさ。」


「ん…


まぁ…


そうすけど…」


「いいんだ。
早く中入ろ。」


「…は〜い。」


海南クラブと、


赤高の選手たちが体育館へと向かう。


「あの…?」


ユキヒロがクロに話しかける。


「何?」


「さっきの予定表のことなんすけど…」


「あぁ、


あれね。


お前持ってて。」


「え?」


体育館に着き、


荷物を置く。


「…」


予定表を見るユキヒロ。


「第二試合になってる。」


「僕たちも第二試合だよ。」


「この…


Aコートとか、


Bコートってなんすか?」


「あぁ、
お前ら初めてだっけ?」


「Aコートっていうのは今いる体育館のこと。


BコートとCコートは外にあるハンド用のコートのことだよ。」


渡された予定表には、


そのチームのところにマークが付いてあり、


どのコートで何時から試合をするかということが書いてあった。


秀皇大学は広く、


ハンド部用のコートが外に用意されてあり、


Bコート、
Cコートと分けられていた。


「え?
俺たち外ばっかじゃないすか…」


「そうだね。」


「何でですかね?
海南クラブはAコートでしか試合ないのに…」


「それは簡単。」


「?」


「実力順。」


そう。


強いチームがAコート、


つまり体育館で試合となり、


実力下位のチームは外での試合が中心となるのだ。


「…納得いかね〜。」

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