《MUMEI》

「お前らは呼ばれただけでありがたいと思え。」


「…は〜い。」


「だからTシャツいっぱい持ってこいっていったろ?


体育館でこの暑さだもん。


外は死ぬよ?」


「…確かに。」


「マネージャー。」


「はい?」


「たぶんドリンク足りなくなると思うから、


これで買ってきてくれる?」


「わかりました。」


「あっ、


佑香ちゃんは松ヤニとビブス、


あと外用のボール用意しといて。」


「はい。」


「ホラ!!


じゃあお前らは外だ!!


行った行った!!」


「は〜い…」


「じゃあ安本さん。
あとお願いしますね。」


「わかった。」


テンションの下がる赤高。


それもそのはず。


炎天下の中外で試合というのはかなりキツい。


しかも、


赤高は普段外ではボールを使った練習をしない。


同じハンドボールでも、


体育館でやるのと外でやるのとではまるで違う。


体育館では両面テープを使うが、


外では松ヤニを使うし、


そもそもボールが違う。


さらに外のコートは小さな砂などがありかなり滑る。


踏ん張りが効かない為ステップはしずらく、


フェイクも掛けづらい。


倒れ込みシュートなどは自殺行為だ。


足が血まみれになってもいいというのであれば話は別だが…


とにかく、


外での試合経験のない赤高にとって、


不利な状況下での試合となっていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫