《MUMEI》

「はぁッ‥ちきしょ‥」

何でこんなに階段長ぇんだよ‥。

「ぅわッ!?」

あっぶね‥

コケるとこだったし‥。

つーか急がねーとヤバい‥。

「!?」

「急がなくていいのかい」

「‥ッ」

メガネだ。

上の方の踊り場から

軽く身を乗り出して‥

ソイツはアタシを見下ろしてる。

挑発的な目をして‥。

「先に行くよ」

「んなッ‥てめ‥、!?」

勢い付けて駆け上がろうとして‥

踏み外したと思ったら──‥

捻っちまった‥。

「‥ッ─────」

マジかよ‥

畜生‥。

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