《MUMEI》

『チッ……。』



札が虚しく空振りする度に見苦しく舌打ちを繰り返す兼松…



先ほどから頭皮が痒いらしく、ひっきりなしに指先で禿げた頭を掻き続けていた…。



゚・:*:.。*。.:*:・゚*゚・:*:.。*。.:



半年前…



暗闇から解放された兼松の目に、薄暗くカビ臭いマンションの一室らしき絵が映った…。



徐々に目の焦点が合うと、あまり衛生的でない環境に、医療器具が雑然と並べられているのが分かり…



兼松は、それが絵ではなく現実の世界であると認識することができた。

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