《MUMEI》 2つの指輪『先生…これ、やるよ!アイツから、捨ててくれって頼まれたんだけど… 俺には〜責任重すぎて出来ねぇから、先生に任せるよ… それさ…何ヵ月も前から、予約してて、先生の誕生日になんとか間に合ったって、喜んでたんだ。 でも…こんな事になっちまうなんて…な、皮肉なもんだな。』 斎藤が、オレに手渡したのは…小さな箱。 パカッ… 中には…2つの指輪が並んで、収まっていた。 『う…右京?…』 オレは…その小さな箱を抱き締めて…声を上げて泣いた。 間違いなんて…とっくに気付いていた…だけど…だけど…オレは…大人だから…ズルいから… お前に…お前の一途な愛に、絡め捕られて行くのが…怖かったんだ。 いつか、お前が冷めてオレなんか、見向きもしなくなるんじゃないか?って… バカだな、とっくの昔に絡め捕られて、身動きも出来なかった癖に…… 右京…ごめんな… 前へ |次へ |
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