《MUMEI》

そんなある日のこと。


私は、教室で一人で座っている人を見つけた。

2年生になって、クラス替えをしたばかりで、全ての人の名前を覚えることができずにいた。


私は、1年の時から一緒のクラスで、一緒に行動するようになった愛美に聞いてみた。


「ねぇあの子誰?」


「あの子って座ってる人のこと?」


「うん。まだみんなの名前覚えられなくて・・・」


「そうだね。あの子は由季って言うの。木村由季」

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