《MUMEI》 でも、愛美の顔は曇った。 「駄目!!由季は・・・」 「えっ!!どうしたの?いきなり大声出して」 「ごめん、なんでもない。・・・由季と話そっか」 「うん」 私は、愛美がなにかを言いかけていたことはわかっていた。 でも、愛美は言おうとしなかった。 自分の思っていることを、はっきりと言わないのは嫌いだった。 自分の思っていることを、自分から言わないのは、もっと嫌いだった。 だから、私は聞かなかった。 自分で言わないなら、言ってくるまで待つ。 ただそれだけだった。 前へ |次へ |
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