《MUMEI》

「なッ‥アタシのせいかよ」

「そうは言って無いだろう。只、思っていたよりも手間取ったというだけだよ」

「〜〜〜〜〜〜‥」

立ち上がって弁当を取りに行こうとしたアタシの肩に

静瑠が手を置いた。

「君はここにいろ。まだ足首が治っていないだろう」

「ぇ‥?」

「僕が取って来るよ。容易い事さ」

「なっ──‥いーよ自分で‥」

「『ここにいろ』と言っただろう」

「‥‥‥‥‥‥‥」

何だよ

エラそーに‥。

「動くなよ、珠季」

「ぁ〜分かったよっ。ここにいりゃいんだろ、ここにいりゃ」

「分かればいい」

静瑠は

珍しく穏やかに笑って──

軽快に階段を降りてった。

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