《MUMEI》

「何を怒っているんだ‥?」

「別に‥怒ってねーし」

そう言ってアタシは‥

ミニトマトを

口に放り込んだ。

‥ちょっと酸っぱい。

「───────」

「そんなに気に触ったか‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「珠季‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「──分かった。何か‥」

「‥コーヒー牛乳」

「ぇ?」

「コーヒー牛乳、買ってくれたら許してやる」

「ぁぁ、お安いご用だ」

静瑠は

一旦弁当を置いて──

また下に降りてった。

アタシは

足音が遠くなってくのを聞きながら‥

流れてく雲を眺めてた。

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