《MUMEI》
久しぶりのツーショット
ピンポーン


(誰だ?)


ガチャッ


昼間は鍵をかけていないから、扉は、すぐに訪問客によって開けられた。


「ただいま〜、祐也! って、うわ、信じらんない!」

「それはお前だ」


確かに俺の今の行為


夏休みの前半に宿題に取り組む


…というか、俺の場合はほとんど終わらせるのだが


は、去年守達から『信じられない』と言われた。


(そんな事言っても、今年は特にいつ何があるかわからないし)


今だって、俺にとっては予想外の展開だ。


「やれる時にやらないと、邪魔が入る」

「な〜んか、ヤラシー」


俺の嫌味を、相手は


祐は、ニヤニヤしながら受け流した。


「まぁ、休憩して、甘いモンでも食べようぜ。な?」


(…何故、後ろを向く?)


俺は、祐の視線の先を追った。


「あ…」


思わず、声が出た。


「…久しぶり」

「お久しぶりです」


(同じ学校だけどな)


そこには、確かに久しぶりに会う安藤先輩の姿があった。


二人は別れてから、校内ではは別々に行動していたから


久しぶりのツーショットだった。

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