《MUMEI》 再び出発(そういえば、この二人、いつまでいるんだ?) コップの麦茶が無くなった頃、俺はふと考え、質問しようとした。 が… 「祐、電車の時間は?」 「あ、ヤベ!」 安藤先輩の言葉に、祐は慌てて立ち上がった。 「どうした?」 慌てているのは祐だけだったから、俺は不思議に思っていた。 「これから雅樹のとこ行くんだ!」 「北海道に?」 昨日、葉月さんのブログを見た時 葉月さんの弟子 つまり、葛西先輩も、葉月さんの地元 北海道で共に行動しているとあった。 「そ!だから、また、合同誕生日会で会おうぜ!」 そう言って、祐は慌ただしく俺の部屋を出ていった。 「じゃあ、私も帰るわね」 「あ、はい。お土産ありがとうございました」 「残りは友達と食べてね」 箱にはまだ半分ほどひ●こが並んでいた。 (明日、持ってくか) 安藤先輩を見送りながら、そう思った。 そして、俺はその晩、ひ●こを教えなかった忍に文句を言ったのだが、『そんな事まで教える義務はない』ともっともな事を言われてしまった。 前へ |次へ |
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