《MUMEI》
ひ●こ恐怖症
「…で、何で厳もいる」


「「双子だから」」


(わけわからん)


俺は無視して部屋の鍵を開けた。


「暑っ…」


すぐに部屋のエアコンを入れる。


「麦茶出すね」


以前台所に立った柊が当たり前のように動いた。


「あ、手伝う」

「いいよ、希は座ってて」

「…何か更に暑くなった」


志貴が手をパタパタと動かした。


「ラブラブ〜」

「ヒューヒュー」


厳と頼はこんな時だけ息ぴったりだった。


「祐也、お土産これ?」

「あ、…」


『うん』と言おうとした時


ピシッ!


そんな効果音がつきそうな位柊は固まった。


「祐、…」

「わざとね」


希先輩と志貴は、ひ●こを覗き込み、顔を見合わせた。


「「なになに〜?」」


厳と頼は笑顔だ。


「甘いもの、大丈夫だよな?」


(好き嫌いないはずなのに…)


柊の異変に、俺は首を傾げた。


「まぁ、座って話しましょう。柊が固まってるうちに、ひ●こ食べないと」

「「え〜?」」

「食べなさい」

「「はい」」


…希先輩と志穂さんの姿が重なった気がした。

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