《MUMEI》

何も返事が返ってこないのが気になって

横を見ると‥

メガネは

何でか笑ってた。

「馬鹿だな」

「な‥!?」

コイツ今日‥

バカって言い過ぎだろ‥。

「何なんだよバカバカって‥」

「らしくないなと言いたいだけだ」

「は‥?」

「いつもの奔放さが窺えないからさ」

「ぇ」

「そういう君も嫌いじゃ無いけど──君には奔放さがお似合いだからね」

「けなしてんのか?」

「いいや、逆だよ」

静瑠は

少しだけ笑いながら──
空になった弁当箱を包み直した。

「それじゃ、僕は先に戻っているよ」

「!? 置いてくなよっ」

「フ‥、冗談さ」

「んなッ‥」

ふざけやがって‥。

「待ってやるから──早めに済ませてくれよ。授業に遅刻する訳にはいかないからね」

「分かってら」

急いで弁当を掻き込むアタシを──

静瑠は

何でか優しい顔で見てた。

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