《MUMEI》

由季と初めて話した時の目。

やっぱりこっち側の人間であってほしい。

そう思いながら、私は手首を出した。

勿論、由季はびっくりしていた。

「これが何か、由季にはわかるよね。私と由季は同じなの。だから、関係なくない。それにみんなには言わないよ」

そう言うと、由季は冷静さを取り戻したように言った。

「同じ?私とあんたが?私の全てを知ってるみたいに言わないでよ」

「そう。私は由季のことを全く知らない。でも、それは由季も同じ。由季も私のことを何も知らない。でも、今まで苦しんできたっていうことに変わりはない。違う?」

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