《MUMEI》

「・・・ふざけないで。もし苦しんできたとしても、少なくともあんたには、友達がいるでしょ?」

「友達?・・・あぁ、もしかして愛美のこと言ってる?冗談言わないでよ。あんなの友達じゃないし。他人なんか、ただの道具だよ」

「道具?」

「そうだよ。ただの道具。怒りたければ、怒ればいいよ。幼なじみなんでしょ?」

「幼なじみ?私と愛美が?・・・はじめはそうだったかもね。でも今は違う。愛美なんか、友達とも思いたくないぐらいなんだけど・・・」

「はは。やっぱりそうだよね。友達なんていらない。必要ない。由季もそう思ってるんじゃない?だから、一緒だよ」

「だから・・・あんたと一緒にしないで!!」

「・・・わかった。今すぐには無理かもしれないね。でも、私は諦めないよ。いつか、由季とわかりあえたらいいなって思ってるよ。じゃあ私は先行くね。・・・あっ!!それから、私の名前は、成瀬夢羽。あんたじゃないよ」

そう言って、私は教室に戻った。

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