《MUMEI》 何でか知らねーけど‥ 教室に戻るなり── 「ねぇ霖堂さん、綾瀬君と付き合う事になったってほんとっ?」 「どうやって口説いたの?」 「ぇ、えっ‥と──」 アタシは女子に囲まれて 質問責めにされてる。 「だから、その‥」 「──授業が始まる。みんな席に着いてくれ」 「静瑠‥?」 「何をモタモタしている? 君も早く席に着け」 「分かってるよ」 思わず笑ってた。 自分の席── 静瑠の隣りに座って 教科書を広げる。 チラッと横を見たら── ソイツと目があってドキッとした。 前へ |次へ |
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